寝転んで鏡を見ると顔のたるみがなくなって若々しく見えます。この状態を具現するには、こめかみ〜耳の前〜耳たぶの裏にかけて皮膚に切開を入れ、皮膚を剥がして後方へ引っ張り、余分な皮膚を切除して縫合する手術が必要です。これをフェイスリフトと称しますが、マスコミの影響で一般の方にも認知されている名称ではないかと思います。こめかみ〜耳の前、あるいは耳の前〜耳たぶの裏のみの切開で行うフェイスリフトはミニフェイスリフトと称されます。ギザギザのナイロン糸(フェザーリフト、アプトスリフトなどと称されています)や、金の糸を何本も顔の皮膚の下に埋め込むよりも効果は確実だといえます。
切開線の位置と手術の基本的な手技をイラストに示します。
@こめかみ部分の切開は極力、髪の生え際で行うようにしています。髪の中で切開する方法もありますが、そこの部分がハゲになってしまったり、生え際が後退してオデコが横広に見えてしまったりする危険があります。なにより皮膚の切除範囲が髪の生え際までに限定されてしまう為、十分なリフト効果が得られない可能性があります。
A耳たぶをU字型に囲む切開線の縫合をうまく行わないと、耳たぶが下に引っ張られて尖った形になってしまいます。これを避けるには、耳の前の骨膜と耳たぶ裏の骨膜でしっかり縫合して、耳たぶの周りはただ寄せるだけにしなければなりません。
B傷は一筋の白い線になるのが理想ですが、部分的に目立つ部分が生じることもあります。その場合は後日に傷の修正が必要なこともあります。