わきがの場合、他人に不快感を与え、自分自身も気持ちや行動が消極的になってしまう(自己臭恐怖症)ので手術が望ましいと考えます。しかし多汗症の場合、治療を要するほどの多汗かどうかの判断が難しく、例えば多汗症であるとしても、他人に迷惑をかけることはないので、制汗剤や汗わきパット等でしのげれば必ずしも手術の必要は無いといえます。手術では必ず何らかの傷が少しは残るものですが、例え傷が残ったとしても、わきがの場合は手術すべきです。
しかし多汗症の場合は本人の希望が強い場合にのみ手術を行います。注意しなければいけないのは、どのような手術をしたからといって100%の無臭、無汗にはならないという点です(一部週刊誌に書いてある100%治るというのは嘘です)。例え少しは臭いが残ったり、汗が出るとしても、日常の気配りでごまかすことができるのであれば十分治療効果が出たと考えなければなりません。
人間の汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺があり、前者は協の下とか性器周辺など限られた部分の皮膚に存在しますが、後者は全身の皮膚に存在します。わきがは前者、多汗は後者に起因しているといわれています。
わきがや多汗症の治療はこれらの汗腺を除去することになりますので、以下にその具体的な手術方法を説明いたします。