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性同一性障害の治療

性同一性障害Q&A

Q8. 性同一性障害は完治しますか?

Genderを変えることは不可能なので完治はありません。
ホルモン治療や外科手術によってSexをGenderに近付け、性別違和感を緩和し、Quality of Life(QOL)を高めることが治療の目的になります。

異性装やホルモン治療だけで十分と考える人もいるでしょう。
性器以外の手術だけで十分と考える人もいるでしょう。
しかしやはり治療の最終到達点は、性別適合手術だと云えます。
何故なら、性別適合手術まですれば特例法により戸籍上の性別変更が認められるからです。性別変更によって社会生活上の不便が取り払われQOLが劇的に向上します。
ただし性別適合手術自体は単に形態的な擬似異性器の形成術でしかなく、機能的には満足いくものではないということを十分理解しなければいけません。
マスコミで散見される「性転換手術」という言葉は完全に誤まりです。

戸籍は、大部分の人にとっては、結婚やパスポート申請の時に初めてその存在に気付く程度のモノでしかなく、普段の意識に昇ることは100%ありません。
しかし性同一性障害の人にとって戸籍は、時限爆弾のように常に意識しなければならないモノだと云えます。
戸籍に記載してある性別が、切り離せない影のように、どこまでもついてくるからです。
就職の際に提出する履歴書の性別欄に虚偽記載せざるを得ない苦悩、そのために社会保険の完備した正規雇用をあきらめ不安定な雇用形態に甘んじなければならない葛藤、虚偽記載が露見した時に解雇されるかもしれないという恐怖、生活の中で最も長い時間を過ごす職場で常にこのような緊張状態にさらされているのです。
保険証、住民票、パスポート等を提示するたびに好奇の目で見られ、いちいち面倒な説明を求められるわずらわしさもあります。
これでは基本的人権が侵害されていると言わざるを得ません。
特例法は性同一性障害の人々の基本的人権を守るべくして誕生したのです。

TSの人は最終的には性別適合手術まで行くでしょう。
しかし性別適合手術を受け、性別変更までしたにも関わらず、どうしても外観上のパス度が不十分な人もいます。こういう人では、例え性別が変更済みであっても、社会の好奇の目を覚悟しなければなりません。
ある意味パッシングは性別の変更よりも重要かもしれません。しかしこればかりは医療でも特例法でも救うことはできません。自分で解決しなければいけない問題です。

TVやTGのうち、外観上のパス度が高い人では、性別適合手術など受けなくても、ホルモン治療だけでも十分に異性として社会に適合できるかもしれません。
しかし普段は困らなくても、保険証、住民票、パスポート等を提示するたびに好奇の目で見られ、いちいち面倒な説明を求められるわずらわしさがあります。 社会に偏見、無理解がある以上、TVやTGの人にとっても、性別変更の手段として性別適合手術は選択肢の一つだと考えます。

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