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性同一性障害の治療

性同一性障害Q&A

Q6. 精神科治療の意義は何ですか?

自らのGenderに揺るぎない確信があり、望む性別での社会生活(Real Life Experience:RLE)に不自由していない人には不要だと考えます。
速やかににホルモン治療、手術治療に進むべきです。

Genderの自認に揺らぎがある人、ガイドライン通りに治療を進めなければいけないと思い込んでいる人は、最初に精神科を受診することになりますが、精神科には決定的な治療法がありませんので、その治療内容はカウンセリングとRLEの実践指導が中心になります。
何度カウンセリングをしてもGenderをSexに合わせて変更することは100%不可能です。
洗脳や拷問によればGenderを一時的に強制変更することはできるかもしれませんが、それではその人ではなくなってしまいます。

以上を勘案するに、私が考える精神科治療の意義は以下の2点です。
@ 統合失調症、人格障害の除外診断
(他科の医師で判断できない場合は精神科医に判断を仰ぐことになります)
A 診断書の交付・・・・診断書の用途には以下の3つが考えられます。
 (1) 家族、友人、学校、職場へ提示するための診断書
(精神科医の診断書が周囲を納得させるだけの権威を持つことは紛れもない事実です)
 (2) 精神科の診断書がないとホルモン治療、手術治療を引き受けてくれない医療機関があるので、それらの医療機関に提示するための診断書
(ホルモン治療、手術治療を実施する医療機関にとって責任分散の意義があります)
 (3) 名前や性別の変更を申し立てる際に家庭裁判所に提出するための診断書
(特例法には、単に二人以上の医師と書かれているだけですが、当院の経験では精神科医師二人の診断書を要求する裁判官が多いようです)

最近では、すでにホルモン治療や手術治療まで済ませた人が、診断書の交付を唯一の目的として精神科を受診するケースが増えているとのことですが、これは当事者が精神科領域の治療の意義をよく理解している表われだと思います。

尚、自らのGenderに揺るぎない確信があるにもかかわらず、精神神経学会のガイドラインに沿って治療を進める人もいます。親に対するパフォーマンスなのか、単なる固執なのか理由は色々あるでしょう。
そういう人は、私の考える意義に惑わされることなく最初に精神科を受診して下さい。 性同一性障害は「自分で治療法を選択できる唯一の病気」なのですから。

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